2010年04月19日

変わらぬ“大阪の味” 「道頓堀今井」のきつねうどん (産経新聞)

 大阪のうどんの代表といえば「きつねうどん」。きわめてシンプルな食べ物だが、日本中に普及し愛されている。

 考案したのは、大阪・南船場の「松葉家」の初代だと伝えられている。明治後期のこと。素うどんと一緒にいなり寿司(ずし)に使う油揚げを客に出したら、それをうどんにのせて食べたことからヒントを得たという。

 「大阪人は何でも混ぜるのが好きなんですわ。お好み焼きとかミックスジュースとか」と笑いながら話すのは、「道頓堀今井」の今井徹社長(50)。大阪にうどん店は多いが、同店は大阪うどんの名店として必ず名前が挙がる老舗の一つだ。

 「今井」のうどんで語らずにいられないのは、つゆ。色の薄さに、特に関東の人たちは「味がないのでは」と思ってしまうそうだが、とんでもない。しっかりとした旨味(うまみ)がある。北海道南部の黒口浜でとれる天然の真昆布(まこんぶ)をたっぷり使ってダシをとっているからだ。

 本店の里出善信店長(41)は「ここに勤める前は日本料理の店にいたんですが、この店の昆布の量には本当にびっくりしました」と話す。ふんだんに昆布を使う日本料理の職人が驚くほどだから、この店の昆布使用量がいかに多いかわかろうというものだ。

 そして、きつねうどんに欠かせない油揚げ。手揚げの薄目をさば節と薄口醤油(しようゆ)、砂糖、塩で炊きあげる。油抜きに1時間、炊くのに2時間。甘辛く炊きあげた油揚げは、一口食べると、つゆと合わさりあっさり上品な甘みとなる。

 約4時間かけて作られた、もちもちとした、なめらかなうどんは、つゆとうまく絡み、ほっとする味。

 「1日に2回来られて、昼も夜もきつねうどんを召し上がるお客さまもいらっしゃいます」と里出店長。

 「今井」の歴史は古い。200年前の江戸時代から、「稲竹」という名で芝居茶屋を営んできたが、大正期に楽器店に転業。第二次大戦時に店は全焼し、昭和21年にまた転業した。これが現在に続く「道頓堀今井」で、今井社長はうどん店としての三代目にあたる。

 同店の歴史を物語る「今井帖」という古いノートを見せてもらった。多くの著名人のサインがずらりと書かれてある。喜劇王、藤山寛美さんもこの店のファンだったそうだ。「今でも、松竹座で公演中の役者さんたちは、よく利用してくださいます」と里出店長。創業以来変わらない「大阪の味」が、多くのファンを引きつけてやまない。

 近年、漁師の数が減って天然真昆布の入手が難しくなった。手揚げの油揚げを作る職人も少なくなり、その味を守り続けるのが困難な状況になってきているという。だが、今井社長は力強く言う。

 「おいしいもんを作るには、生産者の方の努力、われわれ料理人の努力、いろんな要素が必要です。大阪の『喰(く)い味(あじ)』(素材の持ち味を生かした、誰もがおいしいと思える味)を守るために、今、町ぐるみで取り組んでいるところです」

 さらにこう付け加えた。

 「大阪は昔から伝統と最新を融合させるのが得意で、流行の最先端をいく町でした。これからも、新しい『ほんまもん』を発信していきたいですね」(文 杉山みどり)

                   ◇

 ≪メモ≫「道頓堀今井」本店

 大阪市中央区道頓堀1の7の22▽TEL06・6211・0319▽営業時間 11時〜22時(ラストオーダー21時半)▽水曜定休▽きつねうどん735円、鍋焼きうどん1575円、うどん寄せ鍋コース(一人前)4200円から、どんぶり類も有名で、特に親子丼1260円は人気▽温かい麺、冷たい麺、どんぶり、おでんなど、それぞれダシを分けて作るこだわりの味▽リーガロイヤルホテル店、ホテルニューオータニ店▽心斎橋大丸、梅田大丸などの百貨店でテークアウト品の取り扱いあり。

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posted by エダ コウサク at 19:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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